ほんとうはみんな逃げだしたくてしょうがない

行政改革担当相の渡辺喜美氏が、自民党を離党してからもうずいぶん経つ。

党を離れるとき、現職の閣僚たちから彼の行動を痛烈に非難する声が挙がっていたが、ちょっと言い過ぎなんじゃないの、というほどの雑言もあった。

「もうあいつ…いやあの人とは共に仕事はできん」

こんなことを言った人もいた。言うに事欠いてあいつとは。よほど腹に据えかねたのでしょうな。

ところでみなさん、何をこんなに怒っているんだろうか。
政党ですら離合集散常無き政治の世界で、政党を渡り歩く(政党から抜ける)なんてことはよくある話である。

いまの自民党には400人近い国会議員がいるが、自民党プロパー(議員になったときから今までずーっと自民党員)って意外と少ないんじゃないかな(小泉チルドレンは別ね)。

おそらくほんとうは、渡辺氏に限らずみんな自民党から抜け出したくて仕方が無いんだろうね。次の選挙では九分九厘、勝てないだろうから。

そんな「泥舟自民党」から一刻も早く逃げ出したいのだけど、受け入れてくれる政党など無いし、無所属じゃあちょっとやっていけない。

そこに来ると渡辺氏は無所属でも十分に戦えるし、また自身の選挙区に民主党の候補が立っていない。こうした恵まれた環境にいる渡辺氏が、うらやましくてたまんないんだろうなあ。

卑近な事例でたとえるなら、しょっぱいメンバーばかりが集まった合コンの会場から、一足早く抜け出したのが渡辺氏。自分もできることなら飛び出したいんだけど、周りを気にして出るに出られないのが他の方々、って感じかな。
だからもうそれを平然とやってのけた彼が憎い憎い。


しかして「逃げるが勝ち」とは、まさにこのことかもしれないね。