襲う巨大怪鳥/空の大怪獣Q(ネタバレあり)
ニューヨークの街に突如として現れた巨大怪鳥。空中から突然舞い降りて、人間に襲いかかり、そして瞬く間にどこかへと飛び去っていく。
それと同じ頃。あるものは皮を剥がれ、また心臓を抉られた、人間の怪死体が次々と発見される。
まったく関係の無いように見えたこの2つの事件は「古の儀式」というキーワードを点にして交錯を始め、やがて…
「襲う巨大怪鳥/空の大怪獣Q」という怪獣映画のあらすじである。1982年にアメリカで製作されたのだが、その2年後に日本で公開された「ゴジラ 1984」とはその完成度に補い難いギャップが認められる。
つまり、いわゆるB級映画である。
なにせ肝心の怪鳥はほんの数カットしか登場しない。しかも警官隊の銃撃で死んでしまう。
人間を骨の髄までむしゃぶり尽くすのに、とてもそんな怪獣には見えない穏やかな造形も、そのB級ぶりに拍車をかけている。
物語の軸は、刑事と盗人、その盗人と恋人が繰り広げる人間ドラマであり、怪獣はその添え物でしかないという印象だ。
Amazonや楽天で検索してもヒットしなかったあたり、かなりマイナーな怪獣映画なのかもしれない。
しかし、大きな鳥が空中から人間を襲うというのは、日本のギャオスをモチーフにしているのだろうか。
いささかグロテスクな描写が散見されるが、人間ドラマの方でちょっとだけ魅せてくれるので、ものすごく暇で仕方が無いという方には、一見の価値があると思う。だけど、何回も見たいとは思わない。
この世界にはまだまだたくさん、ぼくの知らない怪獣映画が存在する。
【追記】Amazonでは本家の方にありました。あと怪鳥のVFXは、当時としては水準以上のものだったようです。
- 出版社/メーカー: Anchor Bay Entertainment
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