「占い」考
今日のしし座の運勢は??
→総合評価第9位です! 運気が傾きがちで、人につらくあたってしまいそう。関係を壊さないように、自分の発言には気をつけよう!
そうですか。自己の発言は、その影響力をよくよく考えてから口に出すようにしましょうと。でないと、相手との関係をこじらせるかもしれないよ、ということですね。
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そんなの当たり前じゃないか!
占いというのは、対等な関係性においてなされるものではなくて、常にする側とされる側に権威的な階級構造がある。
ここに、古代文明において存在した祭政一致の神権政治、その残滓を見出すことができる…わけないよね。
占いって、ぼくは信じませんが、実は占う側によって、ロールズ的に言えば無知のヴェールをかぶされてしまい、ほんとうはたわいもないごくごくありふれたことしか言っていないのに、なんだかそれっぽく聞こえてしまうのです。
こわいですね。一種のフレーミングですよね、これ。占いのフレーミング。
高度に情報化された大衆社会を生きる人間は、様々な権威によるフレーミングに弱い、気がする。どうしてでしょう。
教えて、丸山眞男先生!
それはね、社会があまりに複雑で巨大になってしまったからなんだ。加えて、価値の多元化相対化と情報洪水の渦中、自己形成の前提となる情報の取捨選択の時点で、もう我々は混乱してしまっているんだ。
じゃあどうすればいいの?
おそらくね、自分がほんとうに信頼できる知識というものにめぐり合うことが必要なんだ。例えば、ぼくとかね。
丸山はこんなこと言ってませんが…
何が言いたいかといいますと、占いなんていうのは、当たり前のことしか言わないわけですよ。そこに占いフレームというスパイスをふりかけるとあら不思議、あっという間に立派な商用コンテンツの出来上がり。
中には立派な占い師もいらっしゃるんでしょうね。ただ、テレビや新聞の占いなんていうのは、素人でも同水準の仕事ができるという意味で、間違いなくプロのやるべきものではありません。
ああ、こんなものに目くじらをたてる自分が恥ずかしい。