いや、あなた方が言うべきことではない

いまテレビを見ていたら、先ごろに起きた秋葉原無差別殺傷事件についての特集が組まれていた。

TBS「ピンポン!」である。

負傷者を懸命に応急処置した医師たちへのインタビューがその一部として流されていた。

彼らは犯人への怒りのほかに、もう1つの怒りを感じているという。

それは、現場に居合わせた野次馬たちの行動だ。

写真を撮るもの。携帯で嬉々として話をするもの。また動画をサイトやブログにアップするもの。

少しでも多くの助けが欲しいのに、いま目の前で人が生死の境を彷徨ってもがき苦しんでいるのに、なんと非人間的な行動なのか。信じられないと、医師の方々は憤慨されていた。

大いに共感する。

しかし、そういった野次馬たちとマスコミとは言うまでも無く「同じ穴のむじな」に他ならない。

あまつさえマスコミは人の不幸で金すら儲けている。

なんら変るところはあるまい。むしろ立ちが悪い。

医師がそういう有り様を批判するのは自然だが、マスコミにそんな野次馬を糾弾する資格は一切無い。

スタッフやスタジオの出演者は揃いも揃って、その事実を失念していたらしい。

野次馬とマスコミは同じなんだと、肝に銘じておかねばならない。自分たちは正義の味方でギャラリーが悪者だなんて、そんな可笑しな幻想は捨て去るべきだ。

たしかにマスコミが伝えねばならないわけだが、常にそういう気持ちは念頭に置かねばならないだろう。


偽善者面をするんじゃない。マスコミなんて所詮は下世話な職業なのだ。