感想:通常国会
延長されなければ、今年の通常国会はまもなく閉幕する。半年などあっという間だ。
新テロ特措法や日銀総裁人事、ガソリン税に後期高齢者医療制度。
どれもこれも政治家のパワーゲームに利用されてしまった感が強い、見るに耐えない国会であった。
振り返ってみよう。日銀の次の総裁はいつまでたっても決まらず、ガソリンは安くなってもまたすぐに値を上げた。
思い出せば虚しさだけがこみ上げてくる。けっきょくつまらぬ政治闘争が垣間見えただけで、何も得るところはなかった。
あれは一体なんだったのか。
日本のえらい政治家には本当に知恵が無いことだけは実によくわかった。
国家戦略の無い与党と「ノー」を言うことでしか結束を保てない野党。
暗澹たる気持ちを惹起せずにはおれないこの国政の構図。
本来ならば政治を「建設的」に批判し、あるべき姿を展望しなければならないマスメディア。
どうやら政局を追うことに手一杯であるらしい。
あまつさえ、個人的な感情に基づいて場当たり的に毒づく行為が「ジャーナリズム」と言われる始末。
日本にも優秀な政治家はたくさんいる。だが、国や党を動かす立場にいる人間が揃いも揃って政治屋ばかりときた。
「政治屋は次の選挙のことを考える。政治家は次の時代のことを考える」byジェームス・クラーク
選挙のことを考えたっていい。ぜんぜんかまわない。むしろ代議士にとっては自然なことですらある。
しかしもう少しだけこの国の将来に思いをはせて欲しいものだ。
民に媚びる政治をしろというつもりはないが、今は視線が内向きでかつ近視眼に過ぎる。
国民が熱狂的に政治参加を望むような状況も考え物だが、有権者に愛想を尽かされるような政治ではもっと困るのだ。
議員諸氏の奮起に期待するや切である。
自分もがんばる。
惨状というにふさわしい有様だが、しかし悲観はしないししたくない。政治の無力や無知、腐敗を当然の如く受け止めてしまう、個人的に言えば感情が、社会的に言えば風潮が、真に堕落した政治への一里塚。
「政治の腐敗とは、政治家が賄賂を取ることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない。 政治家が賄賂を取ってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ。」byヤン・ウェンリー
追伸:久しぶりの政治ネタでした。