大分県のあれ

ここまで来ればもはやクライマックスだ。

大分県で繰り広げられていた、教員採用試験を巡る汚職事件。己が息子や娘を合格させるため、自らの職権を利用して便宜を図り、口利きを依頼し、収賄に手を染める。

それらの見返りとして、点数の低い人間の試験成績が加算されていた。しかしそのままでは全体の平均点が不自然に上昇してしまう。

あろうことか、本来ならば合格していたはずの受験生の点数を減じるという措置がとられていた。そのために不合格となった人数も相当数に上ると報道は伝える。これは下種のやる方法である。

汚職の教科書に載るようなこの手口。後世の模範となるであろう。

大分県は教員採用試験の倍率が全国平均を大きく上回る。だからといって汚職に手を染めていい道理は無い。

学校教員というのは、そういった試験をパスできないような人間でも務まってしまうような、そんなやわな職業なのか。そうではないだろう。

教員の能力不足が叫ばれて久しいが、こういった採用過程を経ているから不出来な教員を事前に排除できないのではと勘繰ってしまいたくなる。

点数の不正規加算で不正に合格した教員は、もちろん退職は免れまい。もっとも、機先を制して依願退職を願い出るか、あるいはそういう形をあえてとらせるか。

類似する汚職は日本全国そこかしこにはびこっているのではないか。マスコミの皆さんには、こういう不正義をこそがんばって暴いていただきたい。

むしろ事ここに至り、全国の社会部記者は今や血眼になって同じ構図を探し始めているはず。

忠実に基本を押えたこのやり口。久々にあいた口が塞がらない。船場吉兆など正直足元にも及ばない高い水準。

クライマックスな人たちがここにいた。