やはり新聞は権威だ

日経新聞は毎月1度、直近のニュースやホットワードの解説を載せた『日経ヨクヨムファイル』という小冊子を配達してくれる。

これが中々役に立つ。今月のヨクヨムファイルにトレンドワードとして「初音ミク」が収録されていたのには、しかし驚いた。

初音ミクにはもはやトレンディというよりもエンブドされた感が漂っている。それを今更「トレンド」として載せてくるとは、日経も中々「ナウい」。

しかも鏡音リン・レンについては一切触れずじまい。これにはまいった。


この記事に明らかなことを、好悪の両面からとりあえず2つ挙げてみよう。まず日経新聞が、トレンドをトレンドとして掴み損ねているという恥ずかしい事実。

2つ目としては、それでもやはり「日経」に採り上げられたことによる初音ミクへの社会的認知作用。お墨付きをもらったと言ってよいと思う。


これらの事実から、もう少しだけ思考を先に進めてみよう。やはり新聞は流行を捉えるセンスに乏しい。正直なところ、1年か2年は遅れていると思う。言ってしまえば、流行に対する感度が鈍い(お前が言うな)。新聞が言及する頃には、ブームはピークをとうの昔に迎えて今は斜陽の局面だ。


しかしながら、新聞による権威付けといった機能は見逃せない。


ネットに溢れる情報はたしかに速報性という点で新聞に勝るが、記者とデスクと校閲が三重に情報を精査する新聞には正確性で及ばない面がある(そこですらしかし、ネットは新聞に迫りつつあるかもしれない)。コンテンツとメディアの優劣を同列にして語ることは愚かだ。

ネットで仕入れた情報を新聞で確認するという作業はまだまだ有効である。

言わば新聞は情報の正確さに対する最終的な番人と言ってよいかもしれない。


それだけ新聞は、まだまだ権威。


もっともこの権威性が、新聞社が「総合情報商社」へと脱皮する際の足かせになっているんだろうなあ。




※写真は本文とはまったく関係ありません