アメリカ大統領選挙2008

舞台から去らせるにはまだ早い。演出家はこう判断したのだろう。


歴史上稀に見る大接戦となっているアメリカ大統領選挙民主党予備選。4日に行われた「ミニ・チューズデー」でヒラリー氏がオバマ氏に敗北すれば、選挙戦からの撤退はほぼ確実と言われていた。

だが観客にして演出家たるアメリカ国民は、この稀代の名優たちが繰り広げる世紀の名舞台を、もう少しだけ長く鑑賞したいと思っているようだ。オバマ氏のフレッシュな演技には惚れ惚れするが、どうもその安定性や経験に一抹の不安が残る。ヒラリー氏はどうしても好きにはなれないが、しかしその実績に裏打ちされた技巧は申し分無い。

つまり、2人にそれぞれ欠けている素質をお互いで持ち合わせている。どうもその辺りで、アメリカ国民は決めかねているようだ。どちらを先に舞台から去らせるか、どちらなら第3の男、マケインに勝てるのか。

日本のように1ヶ月程度で終わってしまう選挙戦では、なかなかあり得ないプロットだ。日本の選挙が民放の2時間ドラマだとすれば、さしずめアメリカ大統領選挙NHK大河ドラマにあたるだろう。

日本国民にもこれだけ注目を集めさせるアメリカ大統領選挙、その演出家たるアメリカ国民の手腕には恐れ入る。特に今回は磨きがかかっている。

個人的な意見を言わせてもらえば、日本国民にもアメリカ大統領選挙への投票権が欲しいところだ。そうすれば選挙がもっともっと楽しくなる。

なぜ有権者は選挙に行くのか。それは、選挙速報をより楽しみたいからだ。


上の件は冗談にしても、大統領レースからはまったく目が離せない展開。どう転ぶか皆目検討がつかない。思えば共和党大本命ジュリアーニの撤退から始まり、ヒラリーの苦戦、オバマの躍進、マケインの共和党大統領候補決定・・・。政界が一寸先真っ暗闇であるのは、日本でもアメリカでもさして変らないようだ。