「昼下がりの決斗」

「決斗」という言葉、一発では変換されないんですよね。

わたしは西部劇が大好きです。三度の飯より好きかどうか聞かれても、飯と映画は別物ですから、そんな質問にはお答えできません。といっても、そんなにたくさん見ているわけではありませんが。

「真昼の決闘」ではありません。わたしも混同していました。”最後の西部劇監督”と言われるサム・ペッキンパー監督の作品で、1962年の公開です。いずれここでも触れたいのですが、あの「ワイルド・バンチ」の監督ですね。

昼下りの決斗 特別版 [DVD]

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銃の撃ち合いは少々控えめですが、その分ドラマで魅せてくれます。いつの間にやら、いっちょまえの西部の男になっている青二才。どうしようもない、諸悪の根源なんだけれど、でもかわいい娘。その娘を巡って青二才と争う、小悪党的雰囲気満載のマッチョたち。裏切り切れず、結局は旧友の助けに向かう老ガンマン(この最後のシーン、最高です。主人公とのいかにも西部劇らしい友情が、波紋のような静けさで、しかしあふれんばかりに伝わってきて、いまこの文章を書きながらその場面を思い出し、全身に鳥肌が立ってきます)。。

この映画の背景が、一体いつぐらいなのかは分かりません。ですが、街にはごく初期の自動車が走り、保安官ではなく制服を着た警察官が、治安の維持にあたっています。

西部開拓時代が、最後の鐘の音を鳴らそうとしていた頃なんでしょうか。劇中、主人公に仕事を依頼した銀行主も「ゴールドラッシュは終わった」と述べています。


クライマックスにおける主人公の死に様が、それを暗示しているかのように感じられました。時代の波に乗り切れない人々の姿は、いつみても寂しいものです。しかしそこに魅力を感じてしまうから、やっぱり西部劇は止められない!